title変神探訪
地蔵 観音 不動 地蔵 観音 不動 地蔵 観音 不動 地蔵 観音 不動


北向山不動院kitamukezan-fudouin 所在地:京都市伏見区竹田内畑町36
最寄り駅:近鉄竹田、京都市営地下鉄竹田
 近くには近衛天皇陵、城南宮、鳥羽離宮跡がある。広いばかりで面白みの乏しいそれらに較べ、北向山不動院は小さいながらもあなどれない楽しさがあふれている。

 不動院だから、ご本尊は不動明王のはずだ。にしては、それ以外の石仏がやたら多い。石仏ショールームの様相を呈している。門をくぐると千手観音、虚空蔵(こくうぞう)、文殊、普賢の各菩薩様がお出迎え。ちなみに門の両脇には提灯が下がっている。表に「北向山不動院」とあるのは当然だが、裏に「油忠不動産(株)」なんて書いてる。お不動さんは不動産屋の守り神か!

 奥の広場へ行くと、弁財天、阿弥陀如来、大日如来の他に、軍荼利(ぐんだり)、金剛夜叉、降三世(ごうさんぜ)の各明王。他にも荼枳尼天(だきにてん)、山王大権現、火頭烏素慧麼明王(かずうすさまみょうおう)、布袋(ほてい)、地蔵菩薩などなど、あちらこちら多数鎮座する。広場中央にある名なしの像はたぶん不動明王だろう。

 あるもの全部挙げるのは大儀だ。仏像だけではないのだ。鳥羽天皇ご寵愛の松、なんてのもある。屋根にのっける鐘鬼(しょうき)さまや鬼瓦まで祀ってある。ご利益ありそうなもので揃えられるものはなんでも揃えるという、純日本風宗教サーヴィス精神。

 祠の前に鳥居があった。一瞬ここは神社だったかなと錯乱した。寺に神社は、実は珍しくもなんともない。日本の宗教は良くも悪くも節操がない。

 洗心井(せんしんい)という井戸がある。良質の水が出るそうで、男の人がペットボトルを5本も持参して汲んでいる。井戸脇にスピーカーがあった。ご利益の宣伝テープを流すのだろうか。

 石仏をスケッチしてたら、突然背後から怒鳴り声。ホームレスの中年男が乗用車に乗った夫婦と言い争ってる。通り道をふさいでる男をどかせようと何度もクラクションを鳴らしたのが発端らしい。ホームレスは邪魔っけな存在扱いされてカチンときたんだろう。自動車の前部にはりつき、「外へ出てこいっ!」とほえている。車中の初老の男性は、ブッ切れて怒鳴り散らしつつも、退散したくて何度も謝っている。しばらくやりあっていたが、車は強引にふりきって逃げた。

 もめごとが終わるまで、神社関係者は誰も出てこなかった。洗心井の水を汲んでた人も、かかわりを避けるために、見えない聞こえないふりをしていた。みな、「さわらぬ神に祟りなし」なんだね(といってる自分も知らんぷりしてスケッチしていた)。
車VSホームレス


軍荼利夜叉明王 おみくじ自販機
100円のおみくじ自販機  →
 おみくじ自販機じたいはさほど珍しくない。横の箱に「凶のおみくじの方は吉に転ずるように念じてこのお箱にお入れ下さい」とある。ハズレもフォローするところがスグレものなのだ。


← 軍荼利夜叉明王 gundari-yasha-myouou
いかめしい顔して、なにやら武器を持っている。幻魔大戦とか、天使と悪魔の戦争とか、そういう類の話は仏教界では聞かない。あってもいいと思う。





壬生寺(壬生延命地蔵尊)mibu-dera(mibu-enmei-jizouson) 所在地:京都市中京区壬生柳ノ宮町
最寄り駅:阪急&京福 四条大宮
パゴダ 側面図
 パゴダを模した塔が立っている。千体仏塔といい、ちょうど一千体の石仏を安置している。余った石仏がたくさんあったとみえ、境内のあちこちに安置している。自前のコレクションではなく、明治時代に京都市の区画整理をした時に集められたそうだ。建立は新しく、1988年。百年近くもの間、これらの石仏をどうしてたんだろう。

 壬生寺は町なかの寺で、とりたてて広くもない。その中に各種アイテムがあり、けっこう楽しい。六角堂には水掛地蔵がござる。あみだ堂には阿弥陀・地蔵・不動。辨天堂には弁天・妲己尼天(だきにてん)・稲荷。一夜天神堂には天神・六所明神・金比羅大権現。明星桜。非公開ながら壬生寺庭園。壬生狂言で有名な狂言堂の舞台。

 この寺でお薦めしたいのは、実はこれらのどれでもない。小橋で池を渡ったところ、片隅にひっそりと墓がある。新撰組隊士11人の墓。壬生塚と呼ばれる。近藤勇のブロンズ像がいかめしく立っている。その脇に絵馬掛けがある。一つの掛け釘に何枚も。おそらく数百枚が下がっている。それぞれに『るろうに剣心』のキャラクターが描かれている。願い事ではなく、同好の仲間あてにメッセージが書かれている。コスプレ写真やプリクラ写真まで貼ってあって、ほほえましい。

 その下にデカい透明プラケースが置かれている。ケースの内径は38×70cm、深さが27cm。中は連絡ノートが詰まっている。数十冊程度か。フタは浮き上がってあふれかけている。

 これは壬生ノートと呼ばれている。それぞれ、個人が置いてるもので、寺は関知していない(黙認状態)。中身はどれも『るろ剣』のchatだ。

 コーティングテープがひと巻き入っていた。大阪市在住の○○恵子さんが、時間に余裕のある人に向けて、ノートとケースのコーティングを呼びかけている。雨後のノートの惨状を見かねて持ってきたのだ。たしかにフタは亀裂が走っている。透明アクリル板を一枚のっけるだけで事態は改善されると思うのだけど。

 絵馬は寺務所で売っている。一枚500円。「京都守護職御預 新撰組壬生屯所 文久三年癸亥三月」と印刷されている。新撰組関連グッズはいろいろある。テレカ・キーホルダー・千社札・はちまき・レターケース・関連書籍・維新番付表に、木製の入隊許可証まである。世のニーズに合わせ、メニューを付け足していくのが日本の宗教施設の正しいあり方であるからして、けっこうなことである。無愛想で商売っ気のない社寺なんて、面白くもなんともありません。
プラケース



護王神社goou-junja 所在地:京都市上京区烏丸通下長者町角
最寄り駅:京都市地下鉄 丸太町駅

狛猪 なぜだかやけに力みまくっている狛猪
 見事な猪グッズコレクションの由来。この祭神たる和気清麻呂を守護して、300頭の猪が宇佐八幡へ同行したという。ギャラリーのガラスケース内のグッズ(オブジェ)は多い。実際、300ぐらいはありそうだ。

 宇佐八幡へ行く時、なぜいきなり猪が現われたのだろう。祭神伝記を読んでも、猪はそれ以外に登場しない。ストーリー的な必然からいうと、その前に伏線として清麻呂が猪の子供を救ったとかいうような話がなければならない。因果応報は話の常道。縁も義理もないものが人に手助けはしない。


 疑問はさておき、ギャラリーの猪グッズは見事だ。全国から奉納されたとある。焼き物や木彫が多いが、素材は多種多様。

 ギャラリー内に芸猪のショー写真があった。若い女性トレーナーが掲げた輪っかの中へ猪がジャンプしている。猪に芸を仕込めるとは思ってもみなかった。小さいころから人間の手で育てたんだろう。別の写真で猪はトレーナーに甘えて嬉しそうだった。


芸猪




末廣大神suehiro-daijin
阿佐田哲也大神asada-tetsuya-daijin
所在地:京都市伏見区深草開土口町
最寄り駅:JR稲荷 京阪伏見稲荷

狛蛙 稲荷の鳥居
稲荷大社の鳥居はみなこんな様式で統一されてます。



狛蛙クン。背中に子狛蛙2匹。
実はコンクリート製の安物なのだ。
 千本鳥居で有名な伏見稲荷大社にお参りした。境内全体では千本はゆうに超えている。正確に数えた人なんていないだろう。と思って鳥居のトンネルをくぐったら、若い男の人が数えながらすれ違った。

 稲荷の北側の産場稲荷からの道を稲荷山方向に登り、末廣大神を訪ねた。お隣の大社にあやかろうとしてか、稲荷と同型の鳥居を建て並べ、ケンケン様も置いている。しかしここは道教の社のはず。なんだか違和感がある。

 各種石像の様式もどことなく変だ。聞くと、これらはすべて中国製だそうだ。狛犬も日本のものと違う。日本の狛犬はさまざまながら、右=阿形(あぎょう)、左=吽形(うんぎょう)の原則だけは変わらない。ここの狛犬は左右とも阿形(口を開けた形)だ。開いた口に丸石が入ってる。出そうと試みる人が後を絶たないという。見りゃ開口部より玉のほうがデカいことは分かるだろうに。

 本殿の石段の手前に女神像が二体並ぶ。それぞれ幼子を抱きかかえている。「大慈悲娘娘神」とある。日本の神社は原則として神像を置かない。あっても女神だ。

 石段下の鳥居の前に、巨大な蛙二匹(二頭?)が向き合っている。狛猪はあったが、狛蛙があるとは。これは両方口を閉じた吽形。両方パックリ口開けてたら、不気味すぎてその間を通れないだろうね。

 女神像の向かいの小道に神様が三つ祀ってある。中央が阿佐田哲也大神。雀鬼作家の阿佐田哲也だ。なぜ道教の社に雀鬼の神様が? ここの宗教法人、大日本大道教の理事長が新雀連の会員で、阿佐田杯で優勝した時の賞金を建立に充てた、というだけのこと。麻雀狂いがこうじたあげくの設立だ。日本の宗教の美徳である「いいかげんさ」がここにもあり。

 賭け事の神だから、はやりそうなのに、さびれている。自然石の石碑を建てただけでは立派な墓ぐらいにしか見えない。商売っ気がない。ここはもうちょっと金つぎこんで、巨大な牌(九餅(くっぴん)あたりがさまになる)をドデンと据え、その周辺に、いかがわしく押しつけがましいデコレーションを加えてほしい。場から感じとれるオーラが宗教の値打ちだ。手を抜いてはいけない。
娘神石像 中国の狛犬

狛犬がふんづけてるのは子狛犬ではない。玉らしきものをふんづけてて、その玉に子狛犬がしがみついている。


雀鬼大神


牌と点棒って、こんなのだっけ? 忘れてしまった。麻雀ファンの方、ゴメンナサイ。



巣林寺sourin-ji 所在地:京都市西京区東ノ口町
最寄り駅:阪急上桂 or 桂駅

昇り竜
 今年は辰年らしい。だから今回は竜。

 巣林寺の三重の塔の上に竜がいる。遠くからその異様な造型は目を引く。異様な迫力も感じる。竜だというのははっきり分かる。しかし作りが複雑で、頭が上なのか下なのか判別できない。

 双眼鏡を持って再訪した。鮮明に見えた。昇り竜であった。辰年の今年、メディアに取り上げられてもおかしくない、たいそうオメデタな物件ではないか。

 スケッチして分かったが、素晴らしい造形美だ。胴のうねり。長く伸びたヒゲ。背に連なるトゲトゲ。つっぱった足と指先に力がこもっている。

 「巣林寺」と表記したが、看板の字は「巣」が異字体で、「剿」の右部分だ。第二水準までに入ってないらしく、出てこない。

 巣林寺は寺といってもひと気のないちっぽけな庵だ。京湯葉の料亭が本業で、片手間に寺やってる、みたいな様子。そんなところにポツンと威厳に満ちた立派な芸術作品がある。違和感がありすぎる。塔の下にはヤマトの宅急便取り扱いの立て看まである。なんなんだよこの寺はいったい。

 三重の塔の中を拝見した。地蔵様がおられる。よく見かける祠の下のみすぼらしいやつではない。東洋風の飾りのついた超豪華な木製テーブル(横幅5メートルほどある)に安置されている。質素なイメージのある地蔵さんと立派な調度。このアンバランス。

 帰りかける時、カラスが飛んできて竜にヒョイととまった。下から双眼鏡で見た。白い針金ハンガーがひっかかっている。よく見ると、竜の胴が水平になってるあたりに、たくさんのハンガーがからみあってのっかってる。巣だ。カラスが針金ハンガーやビニール紐を巣材に使うことは知られている。
 寺はともかく、竜はほんとに見事なので、近くまで来られることがあればぜひ一見を。その際はくれぐれも双眼鏡を忘れないようにね。


 (巣林寺より)現在、当寺は法務にのみ用いております。三重塔の竜も檀家さんからの供養になるものですので、面白半分で紹介するのはご遠慮ください。




六角堂(頂法寺) rokkaku-dou(chouhouji) 所在地:京都市中京区六角通烏丸東入北側 堂之前町
最寄り駅:京都市営地下鉄御池駅

一言願い地蔵実にかわいい


 別件での取材の帰り、懐かしくなってふらっと立ち寄る。全面改装され、広くなっていた。こぎれいに整備された。

 長く勤めていた会社が近くにあった(過去形、会社はもう存在しない)。前は立ち寄っても興味を感じるものが何もなかった。今回は記憶にないものがいろいろ目に入る。一回20円の有料トイレ、縁結びの柳。臍石はあったかもしれない。いたるところにベタベタ貼られた千社札は以前のままだ。

 一言願い地蔵というのがあった。新しい石仏だ。小首を傾げたさまが愛らしい。欲を張らず、謙虚にひとことだけお願いすればかなえてくれるそうだ。

 壬生寺ほどではないものの、石仏群が一か所にかためて安置してある。京都御所を守護しているとある。処分に困った石仏が集められただけという気もする。どれも前掛けを二重にかけられている。小ぶりなものには毛糸の帽子がかぶせてある。帽子と前掛けでほとんど石が隠れている。

 通称の六角堂の名は本堂の形から来ている。六角通の名もこれにちなむ。

 ここから生け花の名手を多数輩出したとのことで、華道発祥の地を売りにしている。貫主は池坊専永。ここは池坊の敷地だったんだ。以前しょっちゅう来てながら、華道と深いかかわりがあることをまるで知らなかった。

 ちなみに開基は聖徳太子。華道とはなんの関係もない。多少なりとも関係のありそうなもの、伝統的なもの、高貴なものをとりどり並べることで寺社は商売が成り立つ。由来などはいいかげんでもかまわない。本来そこにあるはずのものより、とんでもない物件が見つかるほうが、ウオッチャーとしては面白い。

小ぶりな石仏過保護の子供みたいな石仏





十六羅漢と邪鬼が可愛らしいので撮ってきました。2011.10.1
十六羅漢 十六羅漢 十六羅漢 地蔵さま





中山寺nakayama-dera 所在地:宝塚市中山寺二丁目
最寄り駅:阪急宝塚線中山駅&JR福知山線中山寺駅

羅漢像

五百羅漢ならず六百羅漢。
壮観なる眺め。    
 「中山観音」ともいうから、当然本尊は観世音菩薩。なんだけど、例によってゴテゴテといろんな神さん仏さんを祀っている。七福神の中では見当たらないのは恵比須さんだけ。より多くの参拝者を集めようと欲張って、次々増やしていった挙げ句なのか。民の信仰も気まぐれで流行に左右されやすい。保険をかける意味もあったろう。

 この寺はエスカレーターがついている。山際にある寺は珍しくないが、エスカレーターつきは世界的にも珍しいと思う。上り下り双方向で、二か所に設置されている。

 せっかくだからエスカレーターに乗った。上がったところに羅漢堂があった。初めて見る五百羅漢をしげしげ見入った。ざっと六百体余り。映画『西鶴一代女』で見た羅漢像とはだいぶ印象が違う。見なりがお上品だ。

 寺に付随して「○○院」という末寺が山内にたくさんある。それぞれ独自に商売している。絵馬やお守りの代金は賽銭箱に入れてくれという貼り紙をして近所のバアさんとダベッてる横着な院もある。

 華蔵院(けぞういん)のプリクラお守りの看板が目を引いた。入ると、ゲーセンやスーパーでよく見かけるプリクラ機が置いてある。プリクラ貼付専用の絵馬もあり、それ専用の絵馬掛けがある。「安産祈願 五体満足に生まれて来てね パパ ママ」などと書いている。子安地蔵尊を祀っているので、安産に効くとされているらしい。

 お供えとして新品のサンリオやディズニーのキャラクター玩具が山積みになっていた。供養して燃やすんじゃなく、福祉施設に寄付ということで、納得。
交通安全お守り 絵馬



免許証型交通安全お守り。現職の自民党代議士と同じ名前を使うセンスがなんともおかしい。毘沙門天の絵を間にはさんでパウチ。1000円。絵馬も1000円。お守りは500円。






弓弦羽神社yuzuruha-jinja 所在地:神戸市東灘区御影町郡家113
最寄り駅:阪急神戸線御影駅&JR東海道本線住吉駅

お守り 絵馬

 中山寺のついでに、変わりダネお守りをもう一つ見に行った。弓弦羽神社(ゆづるはじんじゃ)の動物占いお守り。

 十二種あって、タヌキ、チーター、黒ヒョウなど。れっきとした心理学分析を元にしてることをウリにしてるが、キャラクターデザインが可愛らしすぎる。どう見ても対象は小学生から高校生までだ。千円もするお守り袋で、メーターいくらの安物生地にスクリーンプリント。色もチャラチャラ原色だらけ。千円は子供が気楽に出せる額じゃない。

八咫烏の丸い絵馬。1000円。
当神社とのかかわりは不明。





飛行神社
hikou jinja
所在地:八幡市八幡土井44
Tel:075-982-2329
最寄り駅:京阪電車八幡市駅
拝殿



 飛行機を祀ってるということで行ってみた。大きくもない境内に飛行機本体は入らなかったようで、部品や模型が陳列されてあった。

 度胆を抜かれたのはこれらの陳列品ではない。神社が洋風なのだ。飛行機だからハイカラを狙ったように思える。拝殿がギリシャ神殿風。天窓にはステンドグラス。白い円柱にしめ繩と弊帛がたなびいていた。トンでもなくブットンでる。だから飛行神社? というわけでもなさそうだが。

 まじめな神社にちゃちゃを入れてはいけない。航空事故で亡くなった方々を慰霊する目的で建てられている。絵馬は全て航空関係者のものだった。

 資料館の入館料は、
一般300円、中高生200円、
小学生以下無料。
開館は9:00〜16:00。無休。






らくがき寺(単伝寺)
rakugakidera(tandenji)
所在地:八幡市八幡吉野33
Tel:075-981-2307
最寄り駅:京阪電車八幡市駅
大黒堂



 飛行神社の近所。大黒堂の内壁に落書きしていいという寺。

 備えつけの木枠を白壁にあて、その内側に同じく備えつけのフェルトペンで書くことになっている。大晦日に塗り直し、また新たな書き込みが始まる。行ったのが1月の8日というのに、もうかなりの数の書き込みがある。

 自由闊達でいたずら心のある書き込みを捜したが、「家内安全」だの「合格祈念」だのと、絵馬みたいだ。いや、絵馬よりまじめっぽい。

 「ワタシを裏切った○夫に天誅!」といった楽しい書き込みを期待してたのだが。日本人ってまじめなんだ。

 「柱には書かないように」と表示のある柱に書いてる不届き者はいた。おまけにプリクラシールまで。そういうハミダシ者のほうが楽しい。

 壁の開放は、土・日・月の9:00〜15:00。落書き一回300円也。

 僕が行ったのは火曜日だったが、住職が親切に開けてくれた。お金は一銭も置いてこなかったけれど。






石峰寺sekihouji 所在地:京都市伏見区深草石峰寺山町
最寄り駅:京阪深草駅&JR奈良線稲荷駅


石仏 石仏


 伊藤若冲の画集を見てたら、石峰寺の石仏群のことが書いてあった。若冲が石仏のデザインをしていたのだった。

 この石仏群については2年前に友人から情報をもらってながら、食指が動かず、調査しなかった。作者が若冲とは知らなかった。


 さっそく行ってみた。想像以上に多彩で表情豊かだ。既成の石仏イメージは念頭になかったらしい。その数は数えきれないが、千体以上はあろう。釈迦の一代記を表現したということだから、今でいうジオラマか。

 竹林の散策路のおびただしい石仏群。悟りきった表情の像も穏やかでよいが、僕は物言いたげで悟りに遠い石仏たちにシンパシーを感じた。

 ちなみに石仏は、拝観料が300円必要です。 石仏







祈念塔
大平和祈念塔daiheiwa-kinentou 所在地:富田林市桜ヶ丘遊園
最寄り駅:近鉄長野線富田林駅




 奇観を呈する巨大なオブジェが富田林市にあると聞いた。高さは190m。PL教団の敷地内だった。いかなる酔狂にてこのようなものが作られたのだろうか。

 正式には「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」という大層なお名前。建立は1970年。大阪万博の年。太陽の塔に対抗したような気がするが、知名度において大きく後れをとった。

 太陽の塔は一見奇妙でも、過去・現在・未来の三つの顔を配置した、分かりやすすぎるデザインだ。こちらの祈念塔はグニャグニャデコボコして、分かりにくい。上端は天を指さしてるということだが、どう見ても指に見えない。機械油の油差しが乗っかってる、という感じ。

 作者は二代目のPL教団教祖、御木白日。世界を代表するモニュメントをめざしたのだろうか。それにしては鉄筋コンクリは安っぽいような。


 とりあえず上まで昇ってみた。入場料200円。素登りを試したわけではない。エレベーターで135mの展望台まで。下を覗くと吸い込まれるような落下イメージがある。窓が足元まであると、なおスリリングでいいが、遊覧施設としてもやや半端。

 広大な敷地内で、他に外来者を一人も見かけなかった。人ごとながら、「こんなので大丈夫?」と思わずにいられなかった。






晴明神社seimei-jinja 所在地:京都市上京区堀川通今出川下ル西側
最寄り駅:京都市営バス 一条戻り橋&堀川今出川バス停
戻り橋
 かつては一条戻り橋まで神社の所有地だったというから、大きな神社だったのだろう。今はこぢんまりしたたたずまいだが。

 全国的に有名なはずの一条戻り橋に説明板の類が一つもなかったのにはびっくりした。せっかくの観光資源じゃないか。もったいない。背後霊に式神が写るプリクラなど置いてもよさそうなものだが。

 橋の下はホームレスの住みかに恰好のスペースがあるが、居住の気配ナシ。式神や祟りを恐れたのか。堀川通という大通りに面してるから、排気ガスと騒音を嫌ったのかもしれない。


 晴明神社は近年の安倍晴明人気のせいか、若い人の姿が多い。神社も岡野玲子の漫画のコピーを掲示したり、関連芝居の案内をしたりと、若い世代への目配りもしっかりやっている。オリジナル商品は五芒星の絵馬やお守りなど。定番グッズ以外ではマウスパッドがあるぐらいで、意外に商品数が少ない。シールぐらいあってもいい。商品企画にはもっと力を入れていいと思う。

 安倍晴明は夢枕獏の小説や岡野玲子の漫画で人気が上昇してるようだが、これまであまり関心を持てず、訪れたのも今回が初めて。スーパースターだの、超能力者だのといった過大な評価に反発があった。時流にうまく乗っただけの小器用な詐欺師をそんなにあがめていいものだろうか。

 科学技術の産物の上にのっかった現代社会にゆきづまり感が出てきているのは確かだ。それに代わりうる体系があれば、絵空事に等しいものであっても夢や希望を投影したくなる。そんな気持ちは分かる。小泉や田中外相を熱狂的に支持している今(だけ)の日本人の心性とよく似ている。

 「こういう社会をめざしたい」という明確なヴィジョンや、具体的な政策体系が何もなく、場当たり的で思いつきの対処をくり返すだけの迎合主義者。政治音痴で、TPOをわきまえずに言いたいことだけ喋り散らす金満おばさん。中身のカラッポなハリボテばかりをありがたがる日本人って、つくづくおめでたい人種と思う。
交通御守 絵馬





←交通御守  絵馬→
式神キャラグッズなどはありませんでした。







釘抜き地蔵(石像寺)
kuginuki-jizou(shakuzouji)
所在地:京都市上京区千本通上立売上ル東側
最寄り駅:京都市営バス 千本上立売バス停





























賽銭箱



 苦抜き地蔵だったのがいつしか釘抜き地蔵に変わったと、案内板には書いてある。なぜ苦抜きが釘抜きに変わるわけ? 苦抜きのほうが有難みありそうに思えるが。

 本堂の壁面いっぱいにびっしりと、釘抜きと八寸釘2本を打ちつけた絵馬がすき間なく埋まっている。整然と並ぶさまはまるで背景画像かミニマルアート。しばし見とれる。

 賽銭箱がこまめにあちこち多数設置されてるが、全てコンクリートの床に鎖でつないである。釘抜き地蔵も金抜きドロには勝てんということか。なんぼほどアガリがあるのか知らんが、これだけこまめにやると経費もかかったろう。


 墓地の片隅に弘法大師手堀りの井戸と称するものがあった。弘法は山師だったという話を耳にした。あちこち井戸を掘ったそうな。善し悪しは別にして、山師の貪欲さはもっと見習わねばなるまい。








昼神車塚古墳hirugami kurumazuka kofun 所在地:高槻市古曽部町11
最寄り駅:JR東海道本線高槻駅 or 阪急京都線高槻市駅


埴輪
 高槻の観光リーフレットの写真からのイメージで、てっきり公園として整備されてるものと思っていた。驚いたことに門は施錠されてて中に入れない。んなバカなことってあるか。

 入れるところを捜しまくった。マンション脇のすきまのような細い通路で、放し飼いの鶏がしきりに地面をつついていた。ひらめくものがあって、入っていった。墳丘の登り道が見つかった。細い分かりづらい道だ。

 鶏小屋があり、他に三羽いた。頂上は開けていて、その部分だけ整備されている。記念石碑と複製の埴輪群。それだけ。

 ここは前方後円墳の方丘に当たる。真下を道路が貫いている。いったん崩した丘をまた復元したのだそうだ。なぜ一部だけ整備したのか。おそらく地権者からの土地買い上げに失敗して、猫の額しか確保できなかったのではないかと思うのだが。地権者はさらにいい条件が出るのを待ってるのかもしれない。アリバイ的に鶏を数羽飼っておきながら。

 なんとなく、売店があって埴輪グッズなんかを売ってる、そんなイメージしてたんだけどな。

埴輪



萬國戰争受難者慰霊塔 所在地:茨木市西穂積町
最寄り駅:JR東海道本線 茨木駅

慰霊塔


 茨木市の郡というところに小山がある。街中の小さな山だ。

 そこを散歩しようとして、手前で奇妙なオブジェと遭遇した。日に照らされ、銀色に輝く怪しげな物体。UFOを模して作ったんだろうか。

 高さは目測で10メートルちょっとか。プレートには笹川良一とジミー・カーターの連名でご立派なごたくが書いてある。そういや入り口でも笹川の筆で「世界平和は茨木の慰霊塔より」「人類の幸福は心の掃除から」などと、ボケまくりを大書してあった。

 推測だが、笹川も「ワシ、ノーベル賞とったるでえ」と、意気込んだのではないか。いやしかし、それにしては寒いオブジェだ。アルミ板かなと思うが、パネルの溶接跡がパッチワークみたいにくっきり出てるし、パネル表面もデコボコだらけで、きれいじゃない。

 辯天宗本山の立派な水子供養塔(アバウトで高さ30メートルぐらい)がここからも見えるが、比べるとみじめなほど安っぽい。建立予算は2ケタほど違っていそうだ。いやしかし、賞を逃したのは金をケチったせいではないと思う。そのせいではない、けっして。

水子供養塔
辯天宗本山の水子供養塔






小松山積聚苑 所在地:京都市右京区嵯峨観空寺谷町
最寄り駅:JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅

供養塔


 この項目は別コーナーへ移動しました。
ディープな京都観光案内 小松山積聚苑






吉祥寺
touro garden at choujuin
所在地:大阪市天王寺区六万体町1
最寄り駅:大阪地下鉄谷町線四天王寺夕陽丘駅


 とある集まりに余裕で間に合いそうだったので、駅の地図で見つけた寺を覘いていくことにした。吉祥寺という寺。門をくぐると大石内蔵助切腹シーンの巨大な石像があって度肝を抜かれた。四十七士にゆかりの寺らしいが、説明板がない。

 「四十七義士の墓」という矢印型の案内板があったが、墓がない。「義士四十七人碑」という石碑を見つけた。オイオイ案内板に偽りがあるぞ。イギリスにはアーサー王の墓という、11世紀頃に作られた真っ赤な偽物があるが、それと似たり寄ったりではないか。たいしたゆかりもないのに権威づけでアイテムをこしらえたのではなかろうか。

 四十七士の石像があった。高さ50センチ程度の四十七の像。それぞれポーズに意匠を凝らし、凝らしすぎて笑えるやつもある。デジカメを持参してなかった。時間がないので一体だけ手早くスケッチした。大石瀬左衛門だが、なぜか頭に米俵を乗せている。火事場泥棒じゃあるまいし、なにしてんのんだ。手に持っている槍は金属だが、体に突き刺さっている(ようにしか見えない)刀は、石をつぎ足してくっつけている。つけどころが悪いのだ。位置関係からいうと、体の中で折れ曲がっている刀がある。なかなかツッコミどころの多い楽しい石像群なので、実際に目で見ていただければいいと思う。

 寺の名は吉祥寺だが、弥勒や観音、毘沙門天、文殊、普賢があって、吉祥天の像がない。辞書で調べると吉祥は「めでたい」の意らしい。内蔵助切腹はめでたいことだったのかな?

 寄り道が長引いたので約束の場所へと急いだ。着いたら20分もオーバーしていて、みんなからは白い目で見られてしまった。








長寿院の灯籠庭園(とうろていえん)
touro garden at choujuin
所在地:明石市人丸町
最寄り駅:山陽電鉄人丸町駅、JR山陽本線明石駅


 月照寺の童地蔵を見るつもりで明石に来た。神戸のあの事件で殺された土師淳君の慰霊のために作られたものだ。

 子安千体地蔵尊という、10センチあまりの仏像(地蔵に見えず、如来っぽかった)がぎっしり千体収納されたガラスケースの前に、ちょこんと置かれていた。高さ20センチほどの小さな石像だった。亀岡で見た、なーむ地蔵尊にそっくりだが、可愛らしく作られている。

 帰りは別の道を通った。長寿院という寺の前を通りすぎかけて、参道の石仏群が目に入り、Uターンした。

 花崗岩の角柱を粗く彫り、仕上げをしない石仏が90体、参道の両側に整然と並んでいる。一つずつ、作りが違う。顔や姿が違う。一見粗雑な作りに見えて、繊細な創造力が駆使されているように感じられた。新しいものだが、古い時代の精霊たちが呼び集められたかのようだ。

 一体ずつが魅力的で、立ち去りがたかった。今日に限ってデジカメを忘れている。どのみち29枚しか撮れない。中でも気になるものを6体ほどスケッチした。ようやく気が済んで、帰る気になった。


灯籠庭園 灯籠庭園 灯籠庭園








木の元地蔵尊(木元寺)
konomoto-jizouson (konomoto-dera)
所在地:西宮市塩瀬町名塩木の元
最寄り駅:JR福知山線名塩駅

現代彫刻『鏡』



 散歩するだけのためにわざわざ遠方を訪ねる。宝塚から西宮の生瀬へ。そして名塩へとブラついた。

 「木の元地蔵尊(このもとじぞうそん)」という看板を見て、何も期待しないでフラリと立ち寄る。境内に入ってすぐのところに立っていた石碑を見て凍りついてしまった。『トータル・リコール』のシュワちゃんのグロい変身シーンみたいだ。彫ってある「鏡」というのはなんだ。人を映す鏡なのか。人の心の内には正邪両方が隠れているということなのか。

 「谷井信一・作 寄贈」とあるので、彫刻作家が寄贈したのだろう。場所柄をわきまえてのことだったのだろうか。不吉だよ。魔除けにするどころか魔寄せだよ、これじゃ。

 他にも気をそそられるアイテムはそこここに散らばってたが、魔寄せのインパクトには遠く及ばなかった。




トータル・リコール
こちらはシュワちゃんの変身シーンです







兵庫大仏(能福寺)
hyougo daibutsu (noufukuji)
所在地:神戸市北逆瀬川町
最寄り駅:JR山陽本線兵庫駅、神戸高速新開地駅

兵庫大仏

 日本三大仏の一つだという。そのわりに無名で、何が違うのかと思って行ってみた。

 なんの変哲もない住宅地に忽然と大仏が現われた。そうか、奈良や鎌倉と違って観光地じゃないんだ。ついでに見て回れるような目ぼしいものが周辺にない。土産物屋が軒を並べるわけでもない。わざわざ長岡京市からそれを確認するだけのために足を運ぶ酔狂なやつは僕ぐらいのものだ。

 辞去してから気づいたが、近辺の寺をつないで七福神めぐりコースが組まれてあった。この能福寺は毘沙門天。あったっけ?

 いちおう客寄せの営業努力はしてるようだが、亀岡のと同様、安直に割り振ってるだけのようだ。いちおう他の寺をいくつか覗いたが、やはりおざなり。イージーな客寄せ企画では、寺も参拝客も盛り上がっていないのはやむを得ない。






魔物?
変な像はいくつかあったが、ひっそりと目立たない場所に置かれていたこれは強烈だった。
なんなんてすか、これは? 思わずデカく描いてしまって、大仏よりもこちらがメインのようになった。









丹波七福神
tanba shichifukujin
所在地:亀岡市千歳町
最寄り駅:JR山陰線亀岡駅

小仏群

 亀岡市北部のわりあい狭いエリアの七つの寺に七福神が祀られていると聞いたので、あまり期待しないで出掛けた。期待しないのは、ただ七福神の像が安置されてるだけの可能性があるから。

 コースの一番手は毘沙門さんの神応寺。毘沙門天はともかく、庭に展開された石仏群がユニークだ。特に、百体以上ひしめく小さな石仏群のコーナーが見事だ。これは見る価値ある。

 二番手、布袋の養仙寺にはいたるところ、布袋像が安置されてる。堂に一体巨大な布袋さまがおられ、不気味に大口あけて笑っておられる。仏というよりこれじゃ妖怪だ。

 三番手以降もこんなふうに情熱をもってアミューズメントしてくれるんなら、七福神めぐりは実に有意義なものになっただろう。残念ながら、あとはぐっと手抜き。残りの多くは統一仕様で一括制作されたとおぼしき石像が、門前おざなりに立っているだけ。サービス精神がない。

 そもそも、どの寺も七福神にかかわる由来を持っていない。もとから石像があったのは、おそらく毘沙門天と大黒天だけ。市の観光政策で七つの寺に割り当てられただけなのが見え見えだ。田舎町はこんなイカモノ作ってまでして客寄せしなきゃならないのだろうか。それって、すごく悲しいぞ。


なーむじぞう







「なーむじぞうくん」とは、なんとお茶目なやつなんだ。
と、思ったら「なーむじぞうそん」だった。
でもポーズはお茶目。
 at 神応寺
ナマズの神様ではありません。
これでもいちおう布袋です。
布袋様






新京極の錦天満宮nishiki-tenmanguu 所在地:京都市中京区新京極四条上ル東側
最寄り駅:阪急四条河原町駅 & 京阪四条駅

おみくじ自販機


 おみくじの自動販売機は珍しくないです。けど、ここのは凝っている。人が近づくのをセンサーが検知し、獅子舞が踊りだす。愛嬌をふりまく犬みたいだ。

 同様の自販機は狭い敷地に四つほど置いてある。もうかるんでしょうか。


 錦小路の新京極から寺町通に抜ける細い道に鳥居がある。鳥居のてっぺんは、両隣のビル壁面に突き刺さっている。鳥居が生長して突き抜けたのではなく、鳥居をくわえこむ形でビルが建てられたんです。こんなのは日本全国さがしても、どこにもないでしょう。

突き抜け鳥居
両端の店舗建物を鳥居の上端が突き抜けています


おみくじ自販機






三室戸寺の狛兎 所在地:宇治市菟道滋賀谷
最寄り駅:京阪宇治線三室戸駅

狛ウサギ


 狛ウサギは本殿前に安置されているが、一対ではない。吽形のみ。阿形は、なんと狛牛なんですよ。牛のほうが古く、ウサギはあとからつけ足している。ミスマッチでバランス悪すぎ!

 地名がウサギにちなむということで作ったようです。他にもいろいろ娯楽要素を並べてます。入山料が500円(大人)かかるんですよね。参拝客の多くはアジサイなどを目当てに来てるみたい。狛兎その他の娯楽アイテムのみで500円なら高いが、アイディアを投入して参拝客を楽しませようとする姿勢は評価できる。

 狛うさぎはここだけでなく各地にあります。各種の狛なんとかを一覧してみたいですね。
狛牛




 ついでなんですけど、大津に三尾神社という小さな神社が三井寺の南側にあります。狛兎とはいえないんですけど、可愛らしいでしょう。ここもウサギにちなむ神社です。

三尾神社のウサギ


三尾神社のウサギ

ちょっとこいつは可愛くないんですけど、これも三尾神社。








小倉神社の十二支石像 所在地:京都府乙訓郡大山崎町円明寺鳥居前83
最寄り駅:JR東海道線山崎駅、阪急大山崎駅

子(ねずみ)  亥(イノシシ)

未(ひつじ)  酉(とり)

戌(いぬ)  午(うま)



 この神社の奥に天王山への登り道があります。そこへ行く途中で見つけました。何度も訪れてるはずなのに今まで気づきませんでした。新しいものではありません。

 今回のは変神ではありません。作品的価値が高いのでぜひ紹介したい。写真画像を全部並べると重たいので、写りのいいもの6枚のみにします。どれもいいデザインです。これだけのものがあまり周知されずにくすぶってるのはもったいない。

 謂れに関してはわかりません。横に石版が立ってるのですが、なんにも書いてないのです。風雨にさらされて消えたというわけではなく、最初からなにも刻印されてなかったようなのです。わけがわかりません。









狸谷山不動院
Tanukidanisan Fudouin
所在地:京都市左京区一乗寺松原町6
最寄り駅:叡山電車一乗寺駅

狸


 狸の置き物がたくさんある寺です。本来は不動明王の寺なんでしょうけど、地名にちなんだ狸に席巻されとるようです。

 七福神や霊場巡りなど、サービスを提供する気持ちは旺盛のようです。おまけに悪名高い「拝観料」というのがここはありません。京都の寺院なんて、ろくなものがないくせに金を要求する卑しいとこばかりですが、その点ここは清廉です。しかし残念なことに、ここにしかないという強烈なアイテムが存在しない。それがなくてはテーマパーク型寺院としての成功は難しい。

 と思ったら、阪神タイガース2003年優勝記念の堂々とした石碑があった。石碑の陰に野村克也の小さな人形があった。後ろ向きに立っている。阪神の背番号82のユニフォームを着ている。

 優勝年とは関係ないんだけど、石碑の上にちょこんと置いてみた。そこに安置されるのが必然という気がして、置いたまま帰った。

 [追記]調べると野村克也は1999年から2001年まで監督を務めている。順位はすべて最下位。

阪神優勝記念石碑







棚倉孫神社(たなくらひこじんじゃ) 所在地:京田辺市棚倉49
最寄り駅:JR学研都市線 京田辺駅、
近鉄京都線 新田辺駅

枡掻


 ずいき神輿で知られる棚倉孫神社。ずいきの屋根など、数十種の野菜や穀物でデコレートした神輿がみもの。今は枯れ果ててますが、一年おきにお祭りで仕立て直しです。

 この棚倉孫神社には面白いものが奉納されていました。案内説明版にはこんなことが書いてあります。「八十八歳の年祝い/米寿の枡掛け/米という字が八・十・八に分解できることから、長寿の祝いとして枡(ます)と枡掻(ますかき)を奉納するようになりました。」

 マスとマスカキを奉納??? ここで絶句したのは僕一人? だいたい、米寿とマスとがどうつながるわけ? 教えて!









大豊神社 Ohtoyo-Jinja 狛ねずみ 所在地:京都市左京区左京区鹿ケ谷宮ノ前町1
最寄り駅:京都市地下鉄&京阪電鉄 蹴上駅

狛ネズミ1  狛ネズミ2


 ネズミの狛犬、狛ネズミで知られる大豊神社(おおとよじんじゃ)。ネズミ年の今年は稼ぎ年だ。

 小さな神社だが普通の狛犬も何対かあり、稲荷のキツネが一対、ほかに狛猿と狛鳶が一体ずつある。

 狛鼠のある大国社は、縁結び、子授け、学業、安産に効験あるとのこと。ネズミと関係のありそうなことを目一杯並べている。ちっちゃなお社なのにずいぶん欲張ったものだ。日本の社寺は、こじつけられるものはなんでもこじつけ、効験をうたう。

 もう少し境内が広ければもっと多彩なアイテムが展開していただろうに、惜しい。狛アザラシ、狛パンダ、狛ティラノサウルスなんてのは使えないだろうか。何に効くかを発見するのも楽しそうだ。

狛鳶 狛猿







用語の解説
不動明王 数ある明王の中でいちばんエラい。大日如来の意を受け、仏法になびかない民に無理強いするという、戦闘的なイスラムのような仏の使者。
大日如来 密教のエラい仏さん。如来=仏さんで、仏教界ではいちばんエラいらしい。
阿弥陀如来 あみだくじでおなじみ。昔のあみだは放射線状で、後光にみたてたということ。そんなら大日くじでもよさそうなものだが。
地蔵菩薩 数ある菩薩さまの中でいちばんポピュラーなのではないか。優しく民びとを救ってくれるから、祠の石像はたいがい地蔵さまだ。六地蔵なんてのもあるから、地蔵さんも一人ではござらん。
観世音菩薩 観音さま。菩薩の中では地蔵に次ぐ有名人。優しげなお顔がセクシー。三十三観音なんてのもある。三十三人で全員てわけでもないらしい。
お守り luky charm 宗教グッズの定番。日本でお守りというと袋入りと決まってるようだが、世界的には珍しいスタイルではないか。
パゴダ ビルマ(ミャンマー)に数多くある仏塔。
弁天・妲己尼天 弁財天・荼枳尼天または荼吉尼天。「天」とつくのは元はインドの神様。帝釈天・毘沙門天・大黒天・聖天(歓喜天)。日本に入ってきた大乗仏教は融通のきく宗教で、土着宗教をうまく取り込みながら各地で浸透している。
『るろうに剣心』 和田伸宏の人気漫画。サブタイトルが『明治剣客浪漫譚』。
絵馬 その起源は本物の馬を奉納したことにある。それが土製・木製・銅製の人形となり、馬を型どった板になり、馬を描いた五角形の板へと簡略化していった。現在は馬を描いたものも少数派になり、形も長方形のものが現われ、多様化している。
和気清麻呂(わけのきよまろ) 称徳天皇の代に、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)が天皇位を奪おうとしたことを阻止した。宇佐八幡宮で道鏡を正統と認めないというお告げを受けたとされる。
天満宮 菅原道真を祭神とする神社。全国に多数ある。別名天神、もしくは天満大自在天神。流罪となり、異国で死んだ道真の祟りを恐れて作った神社が、いつの間にかすりかわって学問の神になっている。
伏見稲荷大社 全国の稲荷の総本社。もともとは農耕神。
ヤマドリタケ イグチの仲間の大型のキノコ。食用。美味ながら、傷み(変色)がはやいせいか、商業利用はされない。
ケンケン様 狐さま。稲荷の眷族をつとめる。どこぞの信託会社のキャラクターのことではない。
道教 中国の民間信仰から発展。日本にも神仙思想、陰陽道、修験道、庚申信仰の形で伝わっている。
狛犬 魔除け、守護のための獣像。大半は石像。左右一対で阿吽(あうん)をなす意は不詳。「阿」はものの始まり、「吽」はものの終わりを示すところから、「阿吽」は世のすべての事柄を含むと解釈できる。狛犬はこの世の魔物や災厄のすべてに対してにらみをきかしている、というふうに考えていいかと思う。
阿佐田哲也 別名色川武大(たけお)。1929年生。1989年没。代表作に『麻雀放浪記』。ペンネームの由来は、「朝だ、徹夜」。
中国では四霊獣の一(他は一角獣・鳳凰・亀)。西洋の竜は翼を持っている。外見以上に大きな違いは、東洋では瑞獣として敬意の念を持たれてるのに対し、西洋では単に邪悪な害獣扱いでしかないこと。
臍(へそ)石 六角形の礎石。いにしえの頃、大通りを通すのに邪魔になるというので、帝が祈ったらピョンと北へ移動したというヨタ話が伝わっている。
壬生寺 変神項目としてすでに取り上げてます。興味があれば参照してください。
京都御所 京都御苑(ぎょえん)の中にある。「御所」は天皇家の住むところの意、なのではあるんだけどね。
貫主(かんじゅ) いちばんえらい人のことらしい。要するに親玉。権力者か。
聖徳太子 近年、実在しなかったという説が出ている。
観世音菩薩 「観音」と呼ばれて親しまれている。民に救いの手を差し伸べてくれるとか。慈悲深い菩薩。
恵比須 「恵比寿」とも表記する。七福神の中で唯一国産の神。しかも唯一民間信仰から生まれた民俗神。海の民の信仰神が起源。名は異国の民を表す「夷・戎(えびす・えみし)」から。
五百羅漢 「羅漢」は悟りを得たエライ坊さん。釈迦の教えを正しく伝えるために結集(けつじゅう)した坊さんたち。
『西鶴一代女』 溝口健二の代表作の一。田中絹代主演。1952年度作品。
華蔵 蓮華の葉の内の世界。
水子地蔵 「水子」は生まれなかった子供。水子信仰は国産なので、本家にない勝手に創作した地蔵。
八咫烏(やたがらす) 神武天皇東征時に道案内した三本足の烏。奈良の八咫烏神社に祀られる。
拝殿 儀礼・行事を執り行なう場所。たいがい本殿の前にある。
大黒堂 大黒天を安置してある建物。らくがき寺には走り大黒天の木像があった。
伊藤若冲
いとうじゃくちゅう
江戸期の画家。独創的な画風で国際的に有名。京都の商家(桝源)に生まれる(1716年)。天明の大火災で焼け出されてのちは石峰寺の門前で庵を結び、そこで生涯を終える(1800年)。
PL教団 パーフェクト・リバティー教団。自己主張と芸術表現を教義とする。
太陽の塔 大阪万国博覧会の記念モニュメント。作者は故岡本太郎。
一条戻り橋 安倍晴明が、この橋の下に使ってない時の式神を隠しておいたとして知られる。第二次世界大戦時には、生きて帰ってこられるようにと、この橋で出征兵士を見送ったという。
式神
しきがみ、しきしん
陰陽師(おんみょうじ)があやつる怪しげな技を持つ魔物たち。識神ともいう。
安倍晴明
あべのせいめい
1019年生まれとされるが、不明。
岡野玲子 漫画家。代表作に『陰陽師』『ファンシィダンス』。
夢枕獏
ゆめまくらばく
小説家。『陰陽師』『獅子の門』など。
ミニマルアート 同一パターンを反復して用いる美術作品。
弘法大師 空海とも。真言宗の開祖。書にすぐれていたという。
延命地蔵尊 延命長寿の功徳を「売り」にした地蔵さま。地蔵は地蔵菩薩ともいい、民を救済する菩薩の総称。菩薩とはまだ悟りを開いてない修行の者のこと。
車塚 前方後円墳のこと。車輪と車体を円丘と方丘に見立てて言う。
七福神 江戸時代に商人が考案した福神セット。中国3、インド3、日本1の組み合わせ。福禄寿と寿老人は本来同一。福助を入れたこともあった。なぜか吉祥天は入らなかった。
毘沙門天 インド由来の神。四天王の一つである多聞天と同一。仏法の守護神だが、いかめしく、軍神のイメージがある。
布袋 中国の禅僧。日常生活用具を入れた大きな袋をかついで歩いた。
大黒天 インド由来の神。日本では米俵の上に座るのが基本ポーズ。大国主神(おおくにぬしのみこと)との混同で、根拠なく習合している。
習合 本来別物であるべき教義などが御都合主義により混じりあってしまうこと。



変神探訪 最新ページ

トップページの目次

当ページ